日高の川

1999.9月

静内川といえば有名河川で、人づてに聞いた話や雑誌などによれば「大型ニジマスの溜まる場所がある」「スチールヘッドが狙って釣れる」「ブラウントラウトが入れ喰い」といった情報にあふれている。
しかし私は数回訪れた事があるが、一匹たりとも釣れたことがない。フライマンが大ニジマスにティペットを切られたのを見た事があるが、自分自身にはあたりすら来た事がない。
今年は苦手だった支笏湖や千歳川を克服した?(坊主を免れた)その勢いで、静内川をも制覇しようと一年ぶりにやって来た。
春別川との出会い付近でウェットフライを流してみる。上流のダム底に溜まった砂のせいか、相変わらずバスクリンを溶かしたような色をしている。
何度キャストしても魚の気配が感じられないので、フライのウデが悪いのを棚に上げ、静内川から撤退する事にした。
しばらく車を走らせ、ある川の上流域にやって来た。始めての場所なので車が入れる場所をやっと見つけ、眺めて見ると川幅はだいぶ狭い。6フィートのルアーロッドを取り出した。
「下流に堰堤があったから釣れるとしたらイワナだな。日高まで遠征して坊主っていうのは、もう勘弁願いたいな。」
そんな思いでミノーをキャストしていると、突然ドデカい魚がチェイスしてきた。そしてヒット!
釣れたのは何とニジマス。写真を撮っていると地元のルアーマンがやって来た。なんでも2週間前に丁度この場所で、地元の有志が放流したそうだ。
そのあと少し離れたポイント2箇所で1匹ずつ釣り上げたが、皆同じようなサイズ、そして尾鰭の丸い魚体だった。
とにかく坊主は免れた。次はネイティブトラウトだ。そして静内川にリベンジだ。
と、言う訳で再び訪れた静内川で8フィートのルアーロッドを振る。
相変わらずの空振りを繰り返した後、チップミノー6cmにチェンジして一投目、いきなりヒット。
でかい。さっきのニジマスも大きかったが、引きの強さが格段に違う。
と思った途端、痛恨のバラシ。
特大のブラウントラウトか、もしくはサケ。鮭なら禁漁だし、第一 4Ibのラインでは間違いなく\2,400のミノーごとブチ切られていただろう。あ〜、バラシてよかった・・・・くっそ〜。
気を取り直してポイントを変え、ルアーもシャッドに結び替えてまたしても一投目にヒット。今度はシングルフックに替えていたのでフッキングもバッチリ、40cmのアメマスのランディングに成功。
遂に静内川の坊主記録に終止符を打つ事ができた。それにアメマスならばネイティブトラウトなのは間違いない。目的を達成できてよかったよかった。
冷静に考えて見ると静内川ではようやっと一匹釣れただけであり、もし次回行ったとしても坊主になる可能性が非常に高い。
しかし実際に釣行するとなれば、スチールヘッドやモンスターブラウンが釣れてしまうかも、と調子のいい事を考えているに違いない。
 
釣果                       
アメマス  40cm 1匹
ニジマス  50cm 3匹
ヒットルアー
チップミノー4cm、チップミノー6cm、シルバークリークシャッド5cm、VIXEN55F