尺ヤマベを釣って考えたこと

渓流釣り師の言う「尺上」とは、まぼろしの存在だと思っていた。
それを近年、道央・道南の渓で何度か釣った。
その度に心臓ドキドキ興奮し、舞い上がっていた。
しかし、振り返って見ると30cmオーバーのヤマベが釣れたのは、全てダムの上流である。
本来、北海道のヤマベは、ほとんど全てが海から疏上したサクラマスの子のはず。
それを思うと素直には喜べない。
放流されて海に戻らずに大きくなったのをハイパーヤマメなどといって珍重するのは、本州だけでよいのではないか。
しかし北海道には、そうではない「尺上」も存在する。
祖父が遺した大ヤマベの魚拓は、サクラマスともハイパーヤマメとも明らかに違う「ヌシ」の風格がある。